
脂漏性皮膚炎は痒みやフケ、抜け毛といった症状が出るため、発症した場合は悩んでしまう可能性があります。しかし、きちんと対策を実施すれば治すことできますし、元通りの生活を送れるようになります。脂漏性皮膚炎による症状を治すには、皮膚科を受診して薬を処方してもらったり、増えた菌を減らすシャンプーを使用したりすることなどが効果的です。
強さを増す痒みに戸惑う
就職がきっかけで大学生まで住んでいた実家を離れ、賃貸アパートで不安と期待の一人暮らしを始めました。水の分量を間違えてご飯を上手く炊けなかったり、整理整頓が面倒で部屋が狭くなったりなど、色々と問題は起こりましたが、充実した日々を過ごしていました。
就職してから半年が経過し、仕事と一人暮らしにも慣れた頃、頭皮が痒い状態が続いていることに気付きました。買い替えたシャンプーが合っていなかったり、頭皮が乾燥したりしていることなどが原因だと判断し、肌に優しい成分のシャンプーにしました。
ところが、肌に優しいシャンプーを使用しても痒みは消えなかったのです。それどころか、痒みが強さを増して耐え難い状態にまでなっていたことから、戸惑っていました。例えば、蚊に刺された部分は赤くなり痒みを感じますが、掻かないように注意すれば少しずつ治ります。
しかし、この時の頭皮の痒みは改善する気配がなく、苦しめられる一方でした。
同僚にフケを指摘されて恥ずかしくなる

強い頭皮の痒みを感じて辛かったですが、そこに加わったのがフケと抜け毛です。頭皮の痒みを我慢するのはかなり難しく、爪を立てて掻いてしまうことが多かったです。その瞬間は少し和らぎますが、すぐに痒さが戻ってしまい、どうしようもなかったです。
また、痒さで掻くとフケが発生するようになっていました。仕事で着用しているスーツの肩の部分に白いフケが付いているのは目立つため、掻くことを我慢してみたものの、数分が限界でした。それでも、仕事中はできるだけ掻かないようにしていましたが、同僚にフケを指摘されました。
まさか、フケを指摘されるとは思っていなかったのでショックは大きかったですし、少しでも早く改善したくなりました。また、頭皮の痒みが強くなってフケで悩み始めた頃に、抜け毛の本数が増えていたことも悩みの1つでした。
強い力で頭皮を掻くと抜け毛が増えるのは仕方ないですが、痒みとフケに加えて抜け毛まで悩みが広がり、精神的な辛さから仕事でのミスが増え、上司に怒られていました。
治し方がわからないので皮膚科を受診
頭皮の痒みやフケ、抜け毛、そして、仕事のミス連発が重なり、精神的にかなり参っていました。ただ、落ち込んでいても状況は改善しないですし、治し方がわからなかったので皮膚科を受診しました。病院が苦手でずっと避けてきましたが、自力で可能な対策では無理と感じていました。
休みの日に近場の皮膚科を受診して検査を受けた結果、脂漏性皮膚炎によってマラセチア菌が増殖し、痒みやフケを引き起こしているとわかりました。カビの一種だと知って大変驚きましたが、マラセチア菌は体に存在している菌の1つだそうです。
正常な菌の数なら影響はありませんが、増殖すると痒みやフケの発生、肌の赤みといった状態を引き起こす場合があると言われました。また、マラセチア菌は皮脂を好むため、頭皮や顔のような皮脂の分泌が多い場所は影響を受けやすいそうです。
原因がわからない状況は最も避けたかったで、脂漏性皮膚炎とはっきり診断されたのは良かったです。ただ、治るまでのスピードには個人差があり、治ったとしても再発する可能性があることを聞き、不安に感じました。
それでも、辛い痒みやフケ、抜け毛を改善するためには治療を受けるしかないので、皮膚科で処方してもらった抗真菌のクリームとローションを毎日使用しました。すると、クスリの使用を開始して10日経過した段階で、状態が改善していると感じることができました。
増えた菌を減らす効果のあるシャンプーを購入してみる
抗真菌のクリームやローションと合わせてできる対策として、ニナゾルシャンプーを購入しました。理由は、抗真菌の成分となるケトコナゾールが含まれているからです。ただ、ニナゾルシャンプーは国内のホームセンターやドラッグストアでは販売されていないため、海外から輸入する必要があります。
輸入するということで手続きが難しいと思っていましたが、輸入を代行している業者のサイトを利用した結果、手続きはスムーズに終わりました。ニナゾルシャンプーは合っていたようで、洗髪後の頭皮に痒みはほとんどなく、フケも発生しなくなりました。
また、増えていた抜け毛の本数も順調に減少し、気にならない状態に戻っています。輸入してまで購入する価値があるシャンプーなのか疑問でしたが、期待していた以上の効果を見せてくれたことに感謝しています。
脂漏性皮膚炎が改善して以前までの生活に戻る

現在、仕事のミスにまで影響していた脂漏性皮膚炎は、完治しているといっても良いくらい状態が回復し、皮膚科に通うこともなくなりました。
そのため、抗真菌のクリームやローションは使っていませんが、週に1回から2回はニナゾルシャンプーで洗髪しています。抗真菌のクリームやローションを使用しなくても、ニナゾルシャンプーにはケトコナゾールが含まれているため、痒みを感じやすい頭皮の対策にはこれで十分だと思っています。
万が一、再び強い痒みやフケが発生し、脂漏性皮膚炎が疑われる場合は皮膚科を受診し、抗真菌のクリームやローションとニナゾルシャンプーを使用するつもりです。
また、脂漏性皮膚炎の原因となるマラセチア菌を増やさないように対策もしています。中でも、皮脂の量を必要以上に増やさないように食事内容に気を付けています。例えば、脂っこい食事は皮脂を増加させてしまうので、できるだけヘルシーに仕上げています。
ただ、皮脂のことばかり意識してしまうと食事内容に悩み、ストレスが溜まって逆効果になりそうなため、徹底的にというよりは、適度に取り組むようにしています。その方が、気分が楽でストレスが少なく、脂漏性皮膚炎の防止に効果的でしょう。
さらに、しっかりと対策しているつもりでも、残念ながら脂漏性皮膚炎を発症してしまう可能性はあります。ですが、仮に発症してしまった場合でも、一度経験しているので治療方法がわかっている分早めに治せるので安心でしょう。
このように、あまり心配することなく前向きに生活することで精神状態が安定し発症のリスクを下げられます。